コラボは「競合より共栄」時代の象徴? | 繊研plus

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コラボは「競合より共栄」時代の象徴?

  • 五十君花実
  • 2017年1月23日更新

先日、仲良しの編集さんと、「17~18年AWのメンズコレクションで、ルイ・ヴィトン×シュプリームのコラボにビックリしたね」というた内容で深夜に盛り上がりました。

世界で一番有名なラグジュアリーブランドと、世界で一番有名なストリートブランドのコラボです。
あのウエストポーチやスカーフ、おいくらかしら。非常にチャーミング!興味津々です!!
きっと猛烈に売れるんだろうな。

とか言っていたら、LV(ルイ・ヴィトン)だけでなく、サカイやジュンヤワタナベ・マンにも続々とコラボが登場しておりました。目が離せません!!


◆コラボが増えたキッカケは・・・?

LVのメンズは、今回のシュプリームに限らず90Sから今にまで影響力が続くカルチャーアイコンやブランドと折々で組んでいるので、今シーズンだけを切り取るのもおかしいのかもしれませんが、とりあえず、各所でコラボが目立つ今日この頃です。

もはやコラボをすることそれ自体が一つのトレンドになったかのよう

Fall Winter 2016 Paris Haute Couture Fashion Week Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only

ヴェットモン17SSより。腰まである強烈なブーツは、エレガントなシューズで知られているマノロ・ブラニクとのコラボ(写真=catwalking.com)

振り返ると、16年7月に「ヴェットモン」が計17ブランドと組んだ17年春夏のショーをやりました。
「マノロ・ブラニク」「ブリオーニ」といったラグジュアリー、「コムデギャルソン・シャツ」のようなデザイナーズ、そして「カナダグース」「カーハート」「ジューシークチュール」といったギア&カジュアルと、ありとあらゆるカテゴリーにおける王者なブランドと組んでいて、大変話題になりました&現在店頭でも話題となっています。

Fall Winter 2016 Paris Haute Couture Fashion Week Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only

これもヴェットモン17SSから。カ―ハートとのコラボのエプロンドレスがチャーミング(写真=catwalking.com)

あの時のヴェットモンが、世の中のコラボについての意識が変わるきっかけになったのかもな、と思ったり。

というのも、コラボって、90年代以降連綿と続く手法ではありますが、ここ数年はそこまでフィーチャーされるものでは無かったような気がしますから。
(14年6月にある百貨店バイヤーさんに取材した際、「消費者はブランド×ブランドのような安易なコラボには、かつてのように響かない」とおっしゃっていたのが印象的です)


◆不況になるとコラボが増える、は本当?

これだけ一気にコラボが増えると、単にそれがトレンドだというだけでなく、何がしかコラボを必要とする背景があるのでは、と考えてしまいます。

で、うがった見方かもしれませんが、やっぱりコラボというものは、一般的に考えると売り上げ作り出すためのカンフル剤という側面があるので、大コラボ時代到来ということは、それだけ世界的に服が売れない時代ということの裏返しなのでは、と思ったり。
本日(1月23日)付けの繊研で、小笠原もコラボについてこう書いておりました

まあでも、こんな斜に構えた見方をせず、一流×一流のブランドが組むことで商品の魅力が倍増し、更にクオリティーも上がる!とありのままにコラボの良さを享受する方が、楽しめるしいいのかもしれませんが。


◆国内の注目コラボは、ライバル同士のこの2社

最近、私が取材した中で面白いな~!と思ったコラボ事例は、年末年始に共同で催事を仕掛けていた三越伊勢丹×ビームスです。
九州や東北のローカルなモノ作りに焦点を当てる催事を、新宿の伊勢丹やビームスジャパン、銀座や日本橋の三越でやっていらっしゃいました。

三越伊勢丹とビームスって、新宿や銀座で店がバッティングします。
そういう意味で、本来は小売りとしてライバル同士の企業だと思うんです。

とはいえ、メインカルチャーを扱うデパート、サブカルチャーに強いセレクトショップとして、「お互い欠けている顧客や能力を補完し合えた」と、ビームスのマゴさんと伊勢丹のリビングのバイヤーの青木さん共におっしゃってました。

マゴさん青木さん

催事初日の16年12月26日に伊勢丹新宿で。ビームスのマゴさんと伊勢丹のリビング青木さん。マゴさんが伊勢丹で接客してる貴重ショット!

消費者の興味がファッション以外のもの(旅とか食とかスマホとか)に移っている今、同じファッションという枠組みの中のプレイヤーが競い合うのはもはやナンセンスで、むしろ業界内で手を組んで、ファッション外の世界からこっちに客を引きこんでくるという方が効果的なのかもな~と思ったり。

伊勢丹ビームスバッグ

コラボが最も分かりやすいアイテムがコチラ。表裏に伊勢丹のタータンとビームスのロゴをプリントしたノベルティのバッグ。ロゴや柄の使用規定とかがあるから、結構作るの大変だった部分もあるそうです。

随分前になりますが、雑誌『Sweet』が破竹の勢いだった07~09年頃に、宝島社のマーケティング本部課長の桜田さん(役職は当時。確か今は部長になられています)を取材させていただいた際、「うちの雑誌のライバルは他社の雑誌じゃない。雑誌を買うくらいのお金で一息つける、たとえばスタバのコーヒーとかそういうものこそがライバルだと考えています」といったことを話されていたのをすごくよく覚えています。
あの時わたし、目から鱗が落ちるみたいな気分だったんですよね。だからこの雑誌は売れるんだな、と思った。

 

好調なセレクトショップ、アデライデのディレクター、長谷川眞美子さんを年末に取材した際も、「今は業界が一丸となって、垣根を越えて服好きを増やしていくような仕組みを作らないといけない。競合より共存を考えてやっていかないと、ファッションが絶滅しちゃう」とおっしゃっていました。

 

競合より共栄を考えるべき時代」。そんな今のムードを象徴しているのが、まさにこのところ世界中で増えているコラボなんだろうな~~、と思っております。

 

※サムネイルに使った画像は「ルイ・ヴィトン」17AWメンズコレクションから(撮影=catwalking.com)

 

 


五十君花実
五十君花実 特技=ミーハーな記者・五十君がお届けする業界のよもやま話。パリコレから東コレ、ストリート、地方のおもしろショップまで、ニュースあるところに五十君あり!!…というスタンスが理想です







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